みなさんは軽貨物運送業を知っていますか?
商品を個人宅に届ける軽貨物ドライバーは身近な存在で、現代社会で無くてはならない仕事となっています。
この記事では、そんな軽貨物ドライバー詳しい仕事内容と、仕事をしていく上でのメリット・デメリットを解説していきます!
軽貨物運送業ってどんな仕事?
軽貨物運送業は、軽自動車を使って指定された住所に荷物を届ける仕事です。
軽のワンボックスカーや軽トラックなど軽車両を使うため、積み込める量も大型トラックに比べて少なく扱う荷物も小さめです。
開業するまでの手続きもあまり時間がかからないため、軽自動車と普通免許があれば誰でも始められる仕事と言われています。
また、大手ショッピングサイトなどの通販でみなさんが購入した商品は、軽貨物の運送会社が配送しています。
インターネット通販の規模拡大で配送貨物量も増えており、業界は人手不足で、運送会社もドライバーの確保に積極的です。
業務委託について
基本的に軽貨物ドライバーは、業務委託という形で企業から仕事を請け負います。
業務委託とは企業と対等な立場で契約を結び、その契約に基づいて業務を行う働き方です。
業務委託は大きく委任契約と請負契約に分類されます。
委任契約は請け負った仕事に対して報酬が支払われるもので、決められた期間仕事をこなせば契約を果たしたことになります。
請負契約は成果に対して報酬が支払われ、成果次第では高い収入を得ることができます。
契約内容によって報酬の発生の仕方も違うため注意が必要です。
どのくらい稼げる?
軽貨物ドライバーの年収はどのくらいなのでしょうか?
ここでは具体例を交えて解説していきます。
配送単価が180円の商品を1日100個配送すると仮定した場合、1日の売上は1万8千円です。
月の稼働日数を20日とすると、一月の売上は約36万円となり、1年の売上は432万円程度になります。ここから経費を引いた差額が軽貨物ドライバーの年収です。
この計算は配送単価が180円なので、配送単価の高い仕事を選んだり、配送する個数を増やしたりして、収入を増やすことができます。
自分で働き方を変えることができるのもこの仕事の魅力ですね!
かかる経費は?
毎月必ずガソリン代、保険料がかかります。また、2年に1度の車検費用や、必要に応じてバッテリー・タイヤの交換などのメンテナンス費用が必要になります。
これら経費をまとめると年間で120万円程度がかかると言われており、こういった経費は少しでも抑えたいですよね。
燃費の良い車種を選んだり、車検を費用の安い整備工場やガソリンスタンドなどで行うといった対策をとることでコスト削減に繋がります!
開業するまでの流れ
軽貨物運送業を開業する場合は、軽自動車1台と普通自動車免許さえあれば簡単に申請することができます。
手続きにはいくつか必要書類があるほか提出先が複数あるため、以下で手順を確認していきましょう!
軽自動車を用意する
軽貨物運送業を始める場合、軽自動車が必要です。運輸支局に届け出をする際も、軽自動車がなければ申請できません。
一般的にワンボックスカーや軽トラックなどが使われ、新車・中古・未使用車問わず使用できます。
個人事業主は車のローンを組むのが社会的信用の面で難しいことが多いですが、配送会社の中にはリース契約をしてくれる事業所もあります。
リース契約であれば月々のリース料は経費として計上できるうえ、減価償却などの会計処理もリースであれば不要です。
仕事の契約によっては、契約した会社が軽自動車を用意してくれることも多いため、比較的容易に準備ができるでしょう。
運輸支局に必要書類を提出する
事業を行う都道府県の運輸支局へ必要書類の届出を行います。この場合に必要な書類は以下の4種類です。
- 軽貨物自動車運送事業経営届出書
- 貨物軽自動車運送事業運賃料金表
- 事業用自動車等連絡書
- 車検証(新車の場合は車体番号を確認できる書類)
車検証以外の書類は、提出用と控え用の2部必要になります。
運輸支局に必要書類の提出した後は、黒ナンバープレートの申請が必要です。
黒ナンバープレートの申請
軽貨物運送業では、業務に使用する車両に黒ナンバープレートの設置義務が課せられており、必ず申請する必要があります。
黒ナンバープレートの取得には以下の物を軽自動車検査協会に提出し、申請します。
- 事業用自動車等連絡書(運輸局で受け取ったもの)
- 使用中の黄色いナンバープレート
- 車検証(新車の場合は車体番号を確認できる書類)
交付には別途1500円程度が必要なため注意しましょう。
また、開業届の申請やナンバープレートの交付は手続きに時間があまりかからず、当日中に申請を完了できます。
任意保険の加入
軽貨物ドライバーは車両の使用頻度が高いため、事故率も高くなります。
事故を起こした場合、自賠責保険だけでは事故の補償が不十分な場合も多く、万が一の事態に備えて任意保険に加入をしておくことで、不測の事態にもある程度対処できます。
任意保険には対人賠償保険、対物賠償保険、車両保険といったものがあり、補償内容は保険会社によって異なるため確認が必要です。
個人事業主の開業手続き
開業手続には個人事業の開業・廃業等届出書を、事業開始日から1ヶ月以内に税務署に提出する必要があります。
また、事業開始日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書も提出することで、最大で65万円の控除を受けることができます。
こちらも必須ではありませんが税制面で大きなメリットがあるため、手続きをしておくのがおすすめです。
こちらは手続きがやや複雑なため、不明な点などは最寄りの税務署に確認しましょう。
開業に必要な資金
開業までに必要な手続きを確認してきました。
では、実際に開業するにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
一般的に開業資金として50~250万円程度が必要とされています。これの大部分は軽車両の購入費用であり、すでに軽車両をお持ちの方や、安い中古車を購入予定であればかなり費用を抑えることができます。
あまり費用がかからず手軽に始められるのも、軽貨物運送業の魅力の一つですね!
軽貨物運送業のメリット・デメリット
軽貨物運送業は個人事業主となるため、会社に雇用される場合と比べ、税金面や保証の面で様々な違いが出てきます。
以下で、どのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
メリット
まずはメリットをを解説していきます。収入や働き方に関してのメリットがあげられます。
働いた分だけ稼ぐことができる
軽貨物運送業のメリットとして一番大きいのが、個人の頑張りが報酬に反映されることです。正社員やアルバイトなど会社に雇用されて働く場合に得られる給料は時給・月給で決められていることがほとんどです。
給料以上の働きをしたとしても、支払われる報酬は一定で、昇給のタイミングは1年に1度という企業も多いです。
では、業務委託の軽貨物ドライバーとして働いた場合はどうでしょうか?成果に応じて報酬が支払われる請負契約の場合なら、荷物を運んだ分だけ報酬が増えるので、本人の能力や働き方次第で、高い収入を見込めます。
軽車両と普通自動車免許があれば仕事ができる
開業するために必要なものが、軽車両と運転免許証のみというのも大きなメリットです。軽貨物以外の運送業のうち、一般貨物自動車運送事業では、運輸局が実施する法令試験に合格する必要があり、また、書類審査にも3~4ヶ月程度の期間がかかります。
軽貨物運送業なら早い場合で、申請書類は数分で受理され、特別な試験や資格なども必要ありません。高額な機材なども用意する必要がなく、手軽に始めることができます。
人間関係の悩みが少ない
自分で仕事の方法や業務量を調整しやすいため、勤務時間や勤務地に縛られにくく、上司や同僚も居ないため、取引先以外は、人間関係の煩わしさが少ないのも人気の一つです。
デメリット
続いてデメリットを見ていきましょう。税金面や保証に関してのデメリットがあります。
確定申告の手続きを自分で行う必要がある
個人事業主となるため、確定申告の手続きはすべて自分で行います。ガソリン代や保険料などの領収書を管理し、年度末に税務署に申告に行かなければなりません。納税分のお金を事前に確保しておくことも必要です。
経費の計算も自分で行うため、経理の知識がない場合は、税理士に頼んで代行してもらう方法もあります。
e-Taxといった自宅から確定申告ができる仕組みもあるため、こういった負担を軽減につながるものを積極的に利用していく必要があるでしょう。
経費を自分で払う必要がある
車検代やメンテナンス費用などの経費は、会社に雇用されていれば会社負担となりますが、個人事業主はこれら経費をすべて自分で負担しなければなりません。
少しでも経費を削減できるよう、ガソリン代の節約や、保険料の見直しなどと言った工夫も必要になってきます。
自己管理能力が必要
働いたら働いた分だけ稼ぐことができる反面、病気や仕事で働けなくなった場合は、その分だけ収入が減少してしまいます。企業に勤めている場合と違い、労災保険や傷病手当がなく、保証がないのが個人事業主です。また、健康保険や年金も自分で加入する必要があります。
常に体調気を使うことや、万が一に備えて保険に加入しておくといった対策が必要です。
おわりに
軽貨物ドライバーの仕事内容やメリット・デメリットについて解説しました。軽貨物運送業は開業にあまり費用もかからず、始めるハードルが低い職業です。
その反面、福利厚生や保証がないといった不安や、経費や収入・支出を自分で管理する必要があるといったデメリットもあります。
また、税金面や確定申告、保険の加入など、面倒な手続きも発生します。自分一人ですべてをこなすのはなかなか大変ですよね。
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