様々な危険や責任と隣り合わせの軽貨物ドライバーにとって、保険選びはものすごく大切です。
そこで今回は、軽貨物ドライバーが知っておきたい保険の内容や選び方について詳しくご紹介していきます!
自動車保険
軽貨物運送業で使う車両は、普通の自家用車とは違うため加入すべき保険も変わってきます。どのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう!
商用車の任意保険
軽貨物運送業で使う車両は商用車として登録し、ナンバーも商用車用の黒ナンバーになります。商用車は自家用車よりも運転の頻度が多く、走行距離も長いです。
そのため商用車の任意保険は自家用車の保険に比べ保険料が高くなっています。また、初めて商用車登録する車は、必ず6等級からのスタートなので注意してくださいね!
保険会社選びのポイント
商用車用の任意保険を取り扱っている保険会社は、以下の通りです。
- 損保ジャパン日本興亜
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- 楽天損保
- あいおいニッセイ同和
- AIG損保
このように、商用車用の任意保険を扱っている保険会社はとても少ないことがわかります。そのため、選択の幅が狭まらないように全ての保険会社を調べ、自分に合った商品を見つけることが重要です。
調べて複数社に絞ることができれば、あとは見積もりをその複数社から出してもらい、内容と保険料に納得がいくものを選択しましょう!
医療保険
事故やケガなどのリスクが大きい軽貨物ドライバーは、より一層医療保険が重要になってきます。医療保険にはどのようなものがあるのか、しっかりと覚えておくようにしましょう!
公的医療保険
公的医療保険には加入する人ごとに、数種類の保険があります。公務員が加入する「共済組合」や会社員が加入する「組合健保や協会けんぽ」があり、これらは健康保険(社会保険)に分類されます。
ではその他、軽貨物ドライバーなどを含めた個人事業主やフリーターはというと「国民健康保険」というものに加入します。
この公的医療保険への加入は国民の義務です。公的医療保険に加入することで、病院での診療費や入院費などの医療費が3割負担で済みます。
民間医療保険
民間医療保険とは、公的医療保険が保障できない費用に対応している保険のことです。公的医療保険では、先進医療費や差額べッド費用などの費用は保障することができません。
また、入院による休職中の経済的負担もあります。このような、公的医療保険ではカバーしきれない部分をカバーするのが民間医療保険なのです。そのため、民間医療保険への加入はとても大切です。
公的医療保険と民間医療保険の両方に加入することで初めて盤石な医療保険と言えるでしょう!
死亡保険(生命保険)
常に事故などの危険と隣り合わせの軽貨物ドライバーですが、万一の時に備え、死亡保険に加入しておくことが重要です。
どのような保険を選ぶと良いのか、種類や選び方をご紹介します。
死亡保険の種類
死亡保険には、大きく分けると定期保険と終身保険の2つがあります。定期保険とは、一定期間の保険期間が契約時に決められている保険です。
定期保険の中には、保険期間が終了するたびに契約の更新が必要になるものや、定められた期間や年齢まで保障が続くタイプがあります。
終身保険とは、中途解約をしない限り亡くなるまで一生涯保障が続く保険のことです。保険料は割高に設定されていることが多いですが、その分保険金は必ず受け取ることができるメリットがあります。
目的別の選び方
死亡保険の選び方のポイントは、自分が亡くなった後の目的を決めて選ぶということです。将来を見据えた保険選びが大切になってくるので、目的別にどのような保険を選ぶと良いのかご紹介します。
葬儀やお墓の費用にあてたい
葬儀やお墓の費用にあてたい場合の死亡保障は、定期保険を選ぶのであれば保険期間が80歳や90歳長いもの、または終身保険を選ぶことをおすすめします。
しかし、大きい保険金額で長く契約してしまうと保険料が高くなってしまうのも事実です。
保険料の負担を減らしたいという場合には、保険期間を短く設定し期間満了時に更新の有無を検討することで、ある程度の保険料を抑えることができますよ!
家族の生活費や教育費として残したい
結婚や子どもが生まれたことをきっかけに、死亡保険に加入する方も多くいます。妻子がいる軽貨物ドライバーにとっては、第一の理由が家族の生活費や子どもの教育費のためになるでしょう。
おすすめな保険期間は、子どもが独り立ちする年齢を考え、10年から20年程度が良いでしょう。
ただし、目的の生活水準によって保険料などの設定が変わってくるので、奥さんの収入や生活に必要な経費などを前もって計算しておくことが大切です。
定期的な保険の見直しを
結婚や出産など人生の中で大きな変化があれば、将来必要になってくる経費も当然変わってきます。そのため、定期的に保険の見直しをすることがライフプランの実現には重要です。
目的や将来像が変わったときは、今加入している保険を見直し、ライフプランに合った保険を再選択するように心がけましょう!
収入を補う保険
保険の中には、ケガや病気で働くことができず収入が減ってしまった場合のための保険があります。医療保険にも似ていますが、医療費に対してではなくあくまで収入に対しての保険になります。
どういった保険なのか、詳しく見ていきましょう!
就業不能保険
就業不能保険は、ケガや病気により長い期間働くことができない状態が続いた場合に、契約時に設定した保険金額を毎月受け取ることができる保険です。
主に生命保険会社から出されていることが多い保険となっています。
所得補償保険
内容自体は就業不能保険とは差異はなく、被保険者がケガや病気により入院や通院、自宅療養などを行う必要がある際、年収の最大60%程度が補償され、毎月一定の保険金額を受け取ることができる保険です。
損害保険会社から販売されている点が、就業不能保険との違う点の一つですね!
保険金額の設定
就業不能保険の場合、契約する前の年収区分に応じて保険金額の上限額が決定されます。
例えば、年収が200万円台であれば月々15万円まで、400万円台であれば月々25万円までなどのように、段階的に決められています。
所得補償保険の場合は、年収から割り出した一月の平均所得の50%から70%の金額が上限になります。なので、一月の平均所得が30万円で上限が70%の場合、設定できる保険金額は月々21万円以下になります。
保険料の決め方
就業不能保険の保険料は、年齢や性別、設定した保険期間によって変わってきます。安定した収入があれば契約することができるので、加入しやすい保険になります。基本的には、年齢が高くなれば保険料も高くなります。
所得補償保険の場合は、年齢や設定した保険期間に加え、職業の区分が関わってきます。
年齢が高くなる程保険料も高くなるのはもちろんのこと、働くことが出来なくなるリスクが高い職業程保険料が高くなります。
そのため事務職などの保険料は低く、危険物を取り扱う技術者や工員は保険料が高いです。
軽貨物ドライバーにはどっちの保険が良い?
二つの保険は似ているようで、細かな仕組みが違うため自分のニーズに合った保険を選ぶことが大切です。
子どもの学費など、短期間だけお金が必要になるといった場合は、保険期間が1年から5年の所得補償保険を選ぶのが良いでしょう。
働いている間はずっと収入の減少リスクを抑えたいといった場合は、長期の保険期間を設定することができる就業不能保険が向いています。
したがって、業務中は事故の危険性が常にある軽貨物ドライバーは就業不能保険がおすすめと言えるでしょう。所得補償保険を選ぶ場合は、働けなくなるリスクが大きいことから保険料が高くなる可能性が高いので注意が必要です。
損害賠償保険
軽貨物の運送業には、お客様の荷物を預かる上で責任が生じます。そのため、荷物に損害があると損害賠償請求がされるので、そのための保険に加入することは必須です。
どのような保険なのか、ご紹介していきます。
運送業者貨物賠償責任保険
一般的には運送保険と呼ばれる保険で、運送中や保管中の荷物に損害を与えてしまった際、損害賠償額を補償してくれる保険です。
運送保険の契約方式
契約方式には大きく2つの種類があります。どういった契約方式なのか見ていきましょう。
事業全体で保障する契約方式
事業全体で保障する場合、前年度の売上などを基準として保険料を定めます。前年度の事故率なども考慮されるため、事故率が高いと保険料も高くなってしまいますが、事務処理的にはまとめて行えるので楽になります。
車両一台ごとに保障する契約方式
車両ごとに保障する契約方式では、その車両の稼働状況を見て保険料を定めます。事務処理は1台ずつになるので大変ですが、事故率が良くない場合でも保険料があまり高くならないというメリットがあります。
お金や骨董品、美術品など
お金や骨董品、美術品などの運びやすく高価なものは、保険金が1梱包あたり10万円までなどのように限定されています。
これは、運送業者だけにリスクを負わせるのは理不尽なので、お客様側でも保険に加入してもらう必要があるためです。
貨物保険
貨物保険とは、軽貨物ドライバーが運ぶ荷物が事故などにより破損した際、損害賠償を補償してくれる保険です。
貨物保険の補償範囲
貨物保険は、軽貨物運送業で取り扱う荷物のほとんどに補償が適用されます。ですが、補償には限度額が設けられている場合が多いです。
また、各保険会社によって補償範囲が異なることもあるので、貨物保険に加入する際は事前に補償内容の確認が必要になってきます。
おわりに
今回は、軽貨物ドライバーが知っておくべき保険の内容についてご紹介してきました。「たくさんあって何が何だかわからない」といった方も多くいらっしゃると思います。
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