軽貨物運送業では、軽貨物車両の維持費が経費の大部分を占めていることがほとんどです。
今回は軽貨物ドライバーに向けて、軽貨物車両の維持費がどの程度かかるのか、一般の車両との違いに触れながらご紹介していきます!
軽貨物車両にかかる維持費
軽貨物運送業で使われる軽貨物車両の維持費について、ガソリン代やメンテナンス費用、保険料を詳しくご紹介します!
ガソリン代
軽貨物運送業の車両に一番かかる費用は、ガソリン代です。ガソリン代は1ヶ月にどのくらいかかるのか、計算方法に触れつつご紹介していきます。
ガソリン代の計算方法
ガソリン代は「ガソリンの値段×走行距離÷車両の燃費」の計算式で求めることが可能です。
ガソリンの値段を1リットルあたり140円、燃費がリッター20キロメートルの車両が100キロメートル走行した場合「140円(ガソリンの値段)×100km(走行距離)÷20km(燃費)」となり、ガソリン代は700円になります。
1か月あたりのガソリン代
軽貨物ドライバーは、1ヶ月で約2,500キロメートル~4,000キロメートル程度走行することが多いようです。ガソリンの値段を1リットル当たり140円とすると、1か月にかかるガソリン代は約17,500円~28,000円となります。
メンテナンス費用
軽貨物車両について、メンテナンスが必要な部品とメンテナンスにかかる費用をご紹介します!
メンテナンスが必要な部品
走行距離の多い軽貨物車両は、エンジンオイル、バッテリー、タイヤ、ブレーキの4つを定期的にメンテナンスする必要があります。
メンテナンスまでの期間や走行距離はそれぞれ異なるので、定期的な点検を心がけましょう。メンテナンスを怠ってしまうと、エンジントラブルや事故につながる恐れがあるため、日頃から意識することが重要です。
年間あたりのメンテナンス費用
各部品のメンテナンスにかかる費用は『エンジンオイル:約10,000~13,000円』『バッテリー:約20,000~30,000円』『タイヤ:4本で約15,000~35,000円』『ブレーキ:フロント、リア各約7,000円』となっています。
1ヶ月の走行距離を2,500キロメートルとした場合、年間あたりのメンテナンス費用は約100,000円程度です。ただ、走行距離が長くなるとメンテナンスの頻度も増えるので、その分費用がかかることを覚えておきましょう。
任意保険料
軽貨物ドライバーとして働くためには、自賠責保険以外に任意保険の加入が必須になってきます。ここでは、加入すべき主な任意保険と保険料についてご紹介します!
加入すべき主な保険
『対人賠償保険』『対物賠償保険』『車両保険』『貨物保険』の4つが軽貨物ドライバーの加入すべき任意保険です。
対人賠償保険は事故を起こした際に他人を死傷させてしまった場合、補償される保険です。自賠責保険を超過した金額分の保険金が支払われます。
対物賠償保険は事故により相手のものに損害を与えてしまった場合に補償される保険です。信号やガードレールなどの公共物も、補償の対象となります。
車両保険は、事故によって契約している車が損傷してしまった場合に補償される保険です。
貨物保険は事故などにより預かった荷物に損害が生じた場合、損害賠償を補償してくれる保険です。
年間あたりの保険料
任意保険にかかる年間の保険料は100,000円~150,000円程度が相場とされています。ですが、保険料は補償内容や特約の有無、年齢などによって変わってくるので注意しましょう。
また、普通車の保険と同じように等級が上がるにつれて保険料が安くなっていくので、年々保険にかかる費用は少なくなっていきます。
維持費を抑えるには
軽貨物ドライバーとして働く上で、軽貨物車両にかかる維持費はなるべく抑えたいものです。ここでは、維持費を少しでも抑えるためのコツをご紹介します!
ガソリン代を節約する
普段のメンテナンスや運転の仕方を意識することで、ガソリン代の節約につながります。
オイル交換などのメンテナンスを定期的に行うことで、エンジン機能の低下を予防することができるため、燃費が悪くなるのを防ぐことができます。
また、タイヤの空気圧設定を怠ることで摩擦による抵抗力が強くなり燃費の悪化につながるので、タイヤの空気圧もこまめにチェックしましょう。
運転中は走行速度を一定に保ったりカーエアコンの使用をなるべくひかえるなど、小さなことを心がけることで節約につながります!
保険選びを慎重に
保険選びのポイントとして、車両や運転手を限定した契約や特約を付けることが挙げられます。保険は補償の範囲が広いほど保険料が高くなります。
そのため、補償される運転手や車両を限定することで補償の範囲を狭め、保険料を大幅に削減することができます。軽貨物ドライバーの場合、乗る車や運転する人はある程度限定されるはずです。
乗らない車や運転しない人を補償内容に含めることは無駄な保険料を増やしていることになるので、自分に必要な補償内容だけを選ぶことが大切です。
また、免責金額を設定することで保険料を安くすることが可能です。免責金額とは、事故が起きた際、補償される金額の一部を自分で負担する金額のことを言います。
免責金額を設定することにより、設定した金額に応じて保険料が安くなります。ですが、事故が起きた際には自己負担が発生するので、負担しても困らない金額に設定することが重要です。
一般の車両との違い
軽貨物車両と一般の車両におけるメンテナンス頻度の違いや車両全体にかかる維持費の違いについて、詳しく解説していきます!
メンテナンス頻度
軽貨物運送業で使用される軽貨物車両は一般の車両よりも走行距離が長いため、その分メンテナンスの頻度も多くなってしまいます。
一般の自家用車が年間に走る距離は約10,000キロメートルとされているのに対し、軽貨物車両の年間走行距離は約30,000~500,000キロメートルです。
そのため、年間でのメンテナンス頻度も3~5倍になるでしょう。軽貨物車両のメンテナンス頻度の例としては、月に5,000キロメートル走行した場合オイル交換が1ヶ月に1回、ブレーキパッドの交換が年に2回ほど必要になります。
車両維持費
諸々の諸経費を合わせて計算した場合、軽貨物車両にかかる年間維持費は約800,000円程度、一般の乗用車は約400,000~600,000円程になります。
軽貨物車両には一般の車両よりも高い保険料やメンテナンス費用、ガソリン代がかかるので、1.5~2倍の経費がかかるようです。
ですが、車両価格や自動車税は普通乗用車に比べると安く済むので、全ての費用が高いわけではありません。
おわりに
軽貨物車両にかかる維持費は、普通の自家用車などに比べてとても高いことがわかりましたが、走行距離や走行頻度が3倍から5倍になることを考慮すれば当然のことです。
軽貨物ドライバーは、軽貨物車両の維持費を抑えるための工夫が必要になってきます。長く軽貨物運送業を続けていくためにも、維持費をしっかりと把握しておくことが重要になってくるでしょう!
この記事が、軽貨物ドライバーをこれから始める方や、軽貨物ドライバーとして働いている方の参考になれば幸いです。
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