軽貨物ドライバーとして働く際、どんな保険に加入すればいいかご存知ですか?保険に加入していないと、安心してお仕事ができないほか、万が一の時に大きなリスクを背負うことになるかもしれません。
今回は、軽貨物ドライバーが加入しておくべき保険について、その種類や補償内容、保険料などを紹介します!軽貨物ドライバーを始める際に必須になる知識なので、是非チェックしてくださいね。
軽貨物ドライバーが加入するべき保険
軽貨物ドライバーは車を使った仕事になるので、車に関係する保険が加入するべき保険として挙げられます。また、荷物を運ぶお仕事という性質上必要になる特徴的な保険もあるので、詳しく見ていきましょう。
自賠責保険
自賠責保険は「全ての車の所有者に加入が義務付けられている自動車保険」のことで、別名「強制保険」とも呼ばれます。ほとんどの保険会社が取り扱っていますが、会社によって補償内容や保険料に違いはなく、離島などの一部地域を覗いて補償内容、保険料共に一律となっています。
自賠責保険の補償内容や保険料について見てみましょう。
自賠責保険の補償範囲
自賠責保険の補償内容は対人補償のみとなっており、相手の車や公共物に対する対物補償、自分や自分の車に対する搭乗者補償などは一切ありません。
つまり、事故を起こした場合、相手の怪我にしか補償が適用されないということになります。
自賠責保険の保険料
自賠責保険の保険料は車の種類や用途、保険期間により異なります。自家用乗用自動車・軽自動車(検査対象車)・営業用の小型貨物車両・自家用の小型貨物車両について、2020年4月1日以降に保険を開始する場合の保険料を比較してみましょう。
自家用乗用自動車
25ヵ月:22,210円
24ヵ月:21,550円
12ヵ月:13,410円
軽自動車(検査対象車)
25ヵ月:21,780円
24ヵ月:21,140円
12ヵ月:13,210円
営業用の小型貨物車両
25ヵ月:36,560円
24ヵ月:33,230円
12ヵ月:19,310円
自家用の小型貨物車両
25ヵ月:25,580円
24ヵ月:24,790円
12ヵ月:15,050円
営業用の小型貨物車両、つまり軽貨物運送業に使用する軽貨物車両の自賠責保険料は、他の車に比べて高いことがわかります。
任意保険
上記で紹介したように、自賠責保険は補償の範囲が狭く補償金額も低いことから、事故に対する備えとしては不十分なことがわかります。そこで、自賠責保険で補えない範囲をカバーするのが任意保険です。
任意保険であれば対人補償の他に対物補償や搭乗者傷害補償、車両の補償など補償範囲が広く設けられている他、補償金額も比較的自由に設定することができます。
任意保険の保険料
任意保険は自賠責保険と違い、保険料が一律ではありません。契約者の年齢、免許証の色、補償の範囲、補償金額、車両保険の有無など、様々な条件によって保険料が大きく変化します。
自動車保険の一括見積もりサービスを利用すれば、保険会社数社からの見積もりを取ることができるので、まずは見積もりをとって保険料の比較をしてみるといいでしょう。
軽貨物車両の任意保険を取り扱っている会社
軽貨物ドライバーが使用している軽貨物車両、いわゆる黒ナンバー車両の任意保険を取り扱っている会社は以下の6社のみです。
・損保ジャパン日本興亜
・三井住友海上
・あいおいニッセイ同和
・東京海上日動
・AIG損保
・楽天損保
上記を見てわかる通り、保険料が安いと人気の通販型任意保険を取り扱っている会社はありません。保険料は高くなる傾向にありますが、軽貨物ドライバーのための特約などが用意されている会社もあるので、任意保険に加入する場合は上記6社を比較してみるといいでしょう。
貨物保険
貨物保険は運送業ならではの保険で、軽貨物ドライバーが運ぶ荷物が事故などにより破損してしまった場合に、荷主に対しての損害賠償を補償する保険です。
任保険同様、加入は義務付けられていませんが、軽貨物ドライバーとして働く以上は加入しておくことをおすすめします。
貨物保険の補償範囲
貨物保険を取り扱っている会社はたくさんあり、それぞれ補償内容が異なりますが、軽貨物ドライバーが取り扱うほとんどの荷物に補償が適用されます。
ただし、場合によっては補償範囲や補償の条件が異なるため、加入前に必ず保険の内容を確認しましょう。
荷物によっては補償されない?
貨物保険には補償が適用されない荷物もあり、以下のものが例として挙げられます。
・貨紙幣類や有価証券
・法令の規定、公序良俗に違反する貨物
・輸送用具
また、補償の範囲が制限される荷物があり、以下の荷物については補償金額などが一般に荷物と異なる場合があります。
・青果物、生鮮食料品、植物
・美術品・書画・骨董品・貴金属・宝玉石
・家畜や魚介類などの生動物
・冷凍・冷蔵・保冷状態の荷物
あくまでも参考なので、保険会社ごとの補償が適用されない荷物や制限される荷物を確認しておきましょう。
保険に加入していない場合のリスク
上記では3つの保険を紹介しましたが、それぞれ保険に加入していないとどういったリスクがあるのか見ていきましょう。
自賠責保険に加入していないと・・・
自賠責保険は加入が義務付けられている保険のため、加入していないと車検に通らないどころか公道を走ることもできません。
また、自賠責保険に加入していない状態で公道を走ると、道路交通法違反により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる場合があります。
任意保険に加入していないと・・・
任意保険の加入はあくまで任意のため、加入していないからといって罰則はありませんが、事故を起こしてしまった時の損害賠償などがリスクとして考えられます。
例えば、軽貨物ドライバーの不注意により車に衝突し、相手に怪我を負わせてしまったとします。この場合、自賠責保険だけでも怪我に対する補償は対応できますが、相手の車に対する損害賠償は全て自己負担となります。
平成23年には、眼科医の男性が死亡した交通事故の裁判で、運転手に5億円の損害賠償が命じられた事例もあります。
貨物保険に加入していないと・・・
貨物保険は荷物を預かるお仕事をする以上、加入がつきものになる保険ですが、中には加入していない方もいるでしょう。軽貨物ドライバーが扱う荷物はサイズも小さく、高価なものも少ないため、加入していなくても不測の事態には対応できるかもしれません。
精密機器などの荷物はサイズが小さくても高価で、大きな事故で複数の荷物が破損した場合、損害賠償の金額は想像以上位に高くなるでしょう。軽貨物ドライバーはいつどんな荷物を運んでいる時に事故に遭うかわからず、どんな荷物が壊れるか分からないという不安があります。
そんな不安をなくし、安心してお仕事をできるのが貨物保険です。
おわりに
軽貨物ドライバーが加入しておくべき保険について紹介しました。任意保険と貨物保険の加入は必須ではありませんが、軽貨物ドライバーとして働く場合は加入は義務になるといっても過言ではないでしょう。保険に加入しない最大のリスクは、業務自体に入れないという可能性があることを念頭に置き、今回紹介したことを参考に、ご自分に合った保険を選んでみてください。
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